緊急避妊用のアフターピルを産婦人科病院で処方してもらう料金と、個人輸入の通販で購入する価格を調べてみました
いつまで経ってもアフターピルが市販されない不思議な国、ニッポンですが・・・。
避妊に失敗して急きょ病院で処方してもらう時の、「お薬の値段」を調べてみました。自由診療なので保険が効かないため、それぞれのレディースクリニック、産婦人科によって値段は色々です。
*どれも「診察代」は別で払う必要があります。
まずはプラノバールかノルレボか
緊急避妊の方法は2種類あり、使うお薬が変わります。

ヤッペ法:使うお薬「プラノバール」
LNG法:使うお薬「ノルレボ」
ヤッペ法は今までの古いやり方で、プラノバールという中用量ピルを多めに飲んでホルモンバランスを崩して子宮内膜がはがれるようにする、産婦人科医が生み出した「苦肉の策」的な方法。副作用がきつく、妊娠回避率も新しい方法よりは低いです。
ノルレボは緊急避妊用に作られたお薬で、副作用も少なく、妊娠回避率(避妊成功率)は高いです。
まずはこの2つで比べていき、別のお薬やジェネリック薬については後で書きますね。
それぞれのアフターピルの値段比較と最安値・最高値
プラノバール
4錠 |
ノルレボ
1錠 |
ノルレボ
ジェネリック |
|
病院 A | 5,000円 | 16,000円 | 10,000円 |
病院 B | 10,000円 | 18,000円 | |
病院 C | 3,800円(学割)
4,800円 |
13,800円(学割)
14,800円 |
5,800円(学割)
6,800円 |
病院 D | 5,400円 | 16,200円 | |
病院 E | 4,320円 | 15,000円 | |
病院 F | 3,000円(学割)
5,000円 |
13,000円(学割)
15,000円 |
|
病院 G | 5,200円 | 14,400円 | |
病院 H | 5,000円 | 15,000円 | |
病院 I | 5,000円 | 15,000円 | |
病院 J | 10,800円 | 16,200円 | |
病院 K | 3,000円 | 13,000円 | |
個人輸入
*価格は為替で変動します |
プラノバール
(ジェネリック) 1箱20錠 851円(送料無料) |
ノルレボ
1箱1錠 2,307円 (送料無料) |
ノルレボ
ジェネリック 1箱2錠 751円(送料無料) |
まず驚くのは、病院でのプラノバールの値段の差が大きいですね。「相場」と言いきれないほど差が大きいです。
調べた限りでいうと、プラノバールの最安値は3,000円、最高値は10,800円でした。その差7,800円!プラノバールが10,800円ってのはあんまりにも酷い。普通に月経困難症とかで産婦人科で処方される中用量ピルなのに、緊急避妊の時には10,800円で売るって。
アフターピルは市販はされていませんし、楽天やAmazonなど通販で買えるものではありませんが、海外通販のような個人輸入なら送料無料で買えるところがあります。
個人輸入ではプラノバールのジェネリックしか手に入りませんが、それでも全く同じ成分です。20錠で851円ということは、4錠で170円。4錠170円で買える物を、10,800円請求されたら・・・私ならあまり良い気持ちはしないですね・・・。(ちなみに計算すると63倍でした(苦笑))
ノルレボの最安値は13,000円、最高値は18,000円。こちらの差は5,000円。
ノルレボは正規の先行薬品である「ノルレボ」そのものが個人輸入すると2,307円です。病院での料金は間を取って15,000円だとすると(診察料は別途要りますが)、6.5倍のお値段。
ノルレボのジェネリックの場合、取り扱っている病院そのものが少ないですが、最安値が6,800円で、最高値が10,000円。ジェネリックで一番安いマドンナで751円です。
緊急に必要になるからこそ常備を
私たちは「コンドームユーザーはアフターピルを家に常備してはどうか」と呼びかけてきました。

それを提唱しているお医者さんの記事を見つけたので、紹介します。
そもそもアフターピルの服用に医師の診察が必要なのか
単に「ゴムが破れた」だけの女性を、医師がわざわざ診察する必要はあるでしょうか。アナフィラキシーと同様に考えれば、前もって処方しておいてもいいくらいです。服用のリスクといえば、一過性の頭痛や嘔気、不正出血で、服用しないリスクは「望まない妊娠」です。もちろん、全員が妊娠する訳ではありませんが…。
世界保健機関(WHO)では、緊急避妊ピルを服用できない医学上の病態はなく、服用できない年齢もない、とうたっています。医師が診察して、未然に有害な重篤事象を防げるはずもありません。何しろ薬の効果が一過性であり、稀な有害事象のために妊娠のリスクを冒すことは誤りだからです。
セックスをすることは人の営みの一部なので、アフターピルを利用する必要は必ず生じます。残念ながらアフターピルをもらいに受診することは、まだ後ろめたい感じが伴いますし、中には追い討ちをかけるかのように説教する医師すらいます。
つまり、「産婦人科に行くこと」自体が極めてハードルが高いことなのです。
アフターピルは、必要時にすぐ飲めるよう、男女とも家の救急箱に常備しておいてもいいくらいです。アフターピルの入手可能性を広めることに反対することは、科学的には非合理な態度です。一日も早くアフターピルがOTC化され、やがてネット販売されることを願っています。
そして、性的活動性が高まる高校生の性教育では、「結婚するまで性交渉など不潔」といった教条主義で思考停止するのでなく、性交渉について実践的な知識が得られ、各人が主体的に判断して行動できるようになってほしいと願っています。
私には年頃の子ども(中学生と高校生)がいて、彼女達がそれ相応の年齢になったら性教育もきちんとしないと、と思っています。別に「快楽」のことを教えるわけではなく、「病気」と「妊娠」について話をするだけなので、恥ずかしいとは思いません。今でも「エッチはしていいけど、妊娠はしちゃダメ」というところは念を押しています。親戚の甥たちにも、「妊娠だけは・・・」と。
ウザいおばちゃんと苦笑いされますが、日頃からそういう話題に触れていたら、万が一のことがあった時に「あのおばちゃんなら話出来る」って思ってくれるかも、という思いを込めてのアプローチです。
女子高校生が妊娠して、誰にも相談できず産み捨てた・・・なんてニュースを見たら切なくなります。アフターピルの存在を知っていたら、アフターピルを簡単に手に入れられたら。
親、友達、学校の先生、産婦人科。誰に相談するのが本人にとってハードルが低いのかわかりませんが。
大人でも「どうしよう・・・」って不安になることならば、備えがあって良いんじゃないかと思います。