偽薬、プラセボ錠とは
ピルは生理の間隔を28日周期で整えるようになっています。
ミニピルを除き、一般的なOC・低用量ピル(トリキュラー、アンジュ、マーベロンなど)には21日分のホルモン錠、超低用量ピルのヤーズには24日分のホルモン錠が入っています。
ホルモン錠を飲み終わった後は、低用量ピルの場合は7日間の休薬期間、ヤーズの場合は4日間の休薬期間、ホルモン錠を飲まない期間を設けます。
ホルモン剤を飲んでいる期間は「生理がない期間」、休薬期間は「生理の期間」となります。
低用量ピルの場合、1ヶ月分のお薬のシートにホルモン錠だけが21錠入ったタイプと、ホルモン錠と偽薬(プラセボ錠)とを合わせて28錠入ったタイプとがあり、21錠タイプを飲んでいる人は1シート分のお薬21錠を飲み終わったら7日間(1週間)お薬を飲みません。28錠タイプを飲んでいる人はそのままお薬を続けることで自然と7日間偽薬を飲んで休薬期間に入ることが出来ます。
偽薬、プラセボ錠というのは「お薬」ではなく「お薬の形をしているだけの錠剤」です。偽物のお薬ということで偽薬(ぎやく)と呼ばれています。英語では「sugar pill(砂糖の錠剤)」とも呼ばれています。
毎日の習慣通り錠剤を飲むことでキチンと7日間の休薬期間に入れるので、21錠タイプのように「あれ?あと何日したらピルをまた飲み始めるのかな?」など迷う必要がありませんね。
ピルを飲むとどうして妊娠しないのか、そのメカニズム
偽薬を飲んでいる間、つまり休薬期間中に膣内射精をしてもなぜ妊娠しないのかという疑問を解決するために、ピルを飲むことでどうして妊娠しないようになるのかを説明しましょう。
下の図は一般的な女性の1カ月間の女性ホルモンのバランスのサイクルです。生理や排卵に関わるホルモンには大きくわけて卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)とがあり、生理期間中にはそのどちらも低いレベルです。生理が終わると卵胞ホルモンが急激に増え、生理が始まって14日後には排卵を迎えます。卵胞ホルモンより後に子宮内膜を厚くする作用のある黄体ホルモンのレベルがピークを迎え、そのどちらもが低下することで再び生理を迎えます。
一方、低用量ピルを飲んでいる人のホルモンバランスのサイクルは次のようになっています。この図は1相性のピルを飲んでいる人のホルモンバランスを簡単に描いてみました。つまり卵胞ホルモンも黄体ホルモンも、ずっと同じレベルのまま保つことで身体は「すでに十分な量のホルモンがある」と勘違いして卵子を育てて放出する(排卵する)ことをやめます。
排卵しないということは、膣内に精子が入ってきても妊娠することはありませんね。
そして休薬期間に入って急激にホルモンレベルを下げることで生理を迎えることになります。
低用量ピルは「排卵しないサイクル」を作る
つまり低用量ピルを飲むということは「排卵しないサイクル」を作るということです。そのためには準備期間が必要で、一般的にはピルを飲み始めてから1週間~2週間で排卵しないようになります。

そしてそれは休薬期間、偽薬を飲んでいる間もサイクルの一環として続いているので、偽薬を飲んでいる間にセックスをして中出しをしたとしても妊娠にはつながりません。
しかし、ピルを何日も飲み忘れたり、休薬期間を長く取り過ぎたりした場合には、思いがけず排卵が起こり、望まない妊娠をしてしまう可能性があるので注意が必要です。

休薬期間があいまいになってしまう人はプラセボ錠が付いている28錠タイプがおすすめ
トリキュラーやアンジュ、マーベロンなどで21錠タイプを飲んでいる人の中には「あれ?次のシートは何曜日から飲むんだっけ?」と休薬期間があいまいになってしまう人もいるかも知れません。
そういう人には28錠タイプをおススメします。
