

35歳以上の人はミニピルが一番おすすめ
まず副作用として一番怖い血栓症ですが、実際に日本でも低用量ピルの副作用による血栓症は報告されています。公表されているものから見逃されているであろうものまでを考察し、現実的な数値として「40代の低用量ピルユーザーの600人に1人が血栓症を発症する」という説もあります。
もちろんその方々が全て死に至るわけではありません。血栓症は治療可能ですが、死にも至ることがあるのです。低用量ピル服用者で重篤な血栓症を発症するのは35歳以上40代が一番多いというデータがあります。
海外では低用量ピルの服用は若年層に多く、出産前の避妊方法として広く認知されていますが、35歳以上になると血栓症のリスクが高まるため、より安全なミニピルに変えるのが一般的です。しかし残念ながら日本では何故か?ミニピルは避妊目的ではほとんど処方してもらえません。
その背景として日本ではピルを避妊目的ではなく、ニキビ改善や月経困難症の治療を目的として安易に広める傾向があり、副作用の説明や安全性の確保がしっかりなされていないのが現状です。
このサイトでは「大切なパートナーとの生活の中での避妊方法について考察すること」を一番の目的としており、肌荒れや生理痛の対処についてはあくまでも「副産物」であると思っています。それよりもやはり「安全なピルを選び、副作用をしっかりと理解し、血栓症の初期症状を知ることで自分の体調管理が出来る・おかしいと思ったら受診できるようになること」が一番大切だと思っています。
そんな思いの中でたどり着いた1つの答えは「35歳以上の方にはミニピルをおすすめします」です。

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ノリディ(Noriday)
黄体ホルモンのプロゲスチンのみを含むミニピルです。そのため、喫煙をする方、授乳中の方、血栓症、高血圧、片頭痛のある方も安心して使用できます。30年以上の販売実績があり膨大なデータを保有しているお薬です。
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ミニピルとして世界での定番となっているノリディは、エストロゲンを含まず黄体ホルモンだけで避妊が出来るようになっています。ノリディの一番の特徴は、含まれている黄体ホルモンが「ノルエチステロン」で、これは1960年代に開発された合成黄体ホルモンです。この時期に作られたピルを第一世代ピルと呼ぶのですが、作用が緩やかで副作用が少なく、長い使用歴の膨大なデータがあり新たな副作用が出てくることはないと信頼されています。


血栓症を発症する人は「喫煙者」よりも「40代」が多い現実
ピルを飲んでいる時には喫煙は厳禁であることはよく知られていると思います。「ピル+たばこ=血栓」という説明は色んなサイトでも目にしますし、それは本当のことです。
しかし現実にピルユーザーで重篤な血栓症を発症するのは「喫煙者」ではなく「非喫煙者の40代以上」が多いのです。
何故か?
ピル服用中にタバコが引き起こす血栓症は「動脈血栓症」なのですが、実際には「静脈血栓症(肺塞栓、深部静脈血栓「エコノミー症候群」)」の方が多く起きているのです。女性はそもそも中年以降には静脈瘤を起こしやすくなったり、脚がむくみやすくなったり、外回りの営業よりも座りっぱなし・立ちっぱなしの仕事が多いことなどで血流が悪くなりがちです。その理由もあってか、35歳以上の人はピルに含まれるエストロゲンの影響で静脈血栓症を起こすリスクが高まると言われています。
ミニピルは血栓症のリスクを高めることはなく、その発症率はピルを飲んでいない人と変わらなくなります(ピルを飲んでいないからといって血栓症を起こさないわけではなく、誰もに発症する可能性はある、という意味です)。

血栓症の初期症状
次のようなことがあれば、ただちに病院に行き、症状を説明するとともに必ず「ピルを飲んでいます」と伝えましょう。
・ 息を吸う時に胸が鋭く痛む
・ 運動をしていないのに息が切れる
・ 吐血
・ 足が腫れて痛む
・ 足や手が脱力・無感覚または針で刺すように痛む
・ 激しい腹痛
・ 失神・卒倒
・ 激しい頭痛や片頭痛
・ 突然の舌がもつれたり、視力障害が出る
・ 黄疸
また次のような症状も要注意です。エコノミー症候群の症状です。必ず受診をしましょう。
・足がだるい
・足が疲れやすい
・寝ている間に足がつりやすくなる
・足に筋肉痛のような痛みがある

ミニピルのメリット・デメリット
ミニピルのメリットは、上記のように女性ホルモン(卵胞ホルモン・エストロゲン)が含まれていないので、エストロゲン依存性の副作用である血栓症リスクの増加や吐き気などの症状はほとんど見られません。
そのため喫煙している女性や授乳中の女性、35歳以上の女性、抗生物質を飲んでいる女性、つまりほぼ誰でも服用可能です。
また、生理の出血量がとても減り、おりものシートで代用できるくらいになる人もいます。一切生理が無くなる人もいます。そのため生理痛が軽くなる人が多くいます。
35歳以上の方や、喫煙者、授乳中のママに一番安全でおすすめなミニピルですが、デメリットが1つあります。
それは避妊作用時間が25時間程度しかなく、服用時間を厳密に守る必要がある、ということです。例えば「夜の8時に飲む」と決めたら必ず毎日夜8時に飲まなくてはいけません。低用量ピルでは1日飲み忘れても大丈夫なことがほとんどなのですが、ミニピルの場合、服用がいつもより3時間遅れると避妊効果は急激に落ちてしまいます。
しかしデメリットと呼べるものはそれくらいで、飲み忘れを防ぐために次のような工夫ができるでしょう。
・スマホのアラームやアプリを利用する
・何シートか常に常備しておき、家に置いておくのはもちろんのこと、予定外の外出時でも飲めるように1シートはお財布に入れておく
・間違いなく起きている時間に飲む時間を設定する
ミニピルの副作用
ノリディの副作用として、一番多いのは「不正出血」です。人によっては飲み始めて1カ月以上不正出血があるという人もいます。
不正出血が終わった後は生理がとても軽くなる傾向にあります。
35歳以上ならばピルはぜひミニピルを
服用時間を厳密に守る必要があるという不便な点をのぞけば、ミニピルはとても安全性の高い経口避妊薬です。非ピルユーザーでも血行が悪くなってくる中年期以降は血栓症のリスクは高くなります。そのリスクをいたずらに上げないミニピルを強く推薦します。
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ノリディ(Noriday)
黄体ホルモンのプロゲスチンのみを含むミニピルです。そのため、喫煙をする方、授乳中の方、血栓症、高血圧、片頭痛のある方も安心して使用できます。30年以上の販売実績があり膨大なデータを保有しているお薬です。
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