ピル=排卵が起きない、だけじゃない
3つの作用で避妊する
低用量ピルを飲むと「排卵しない」とか「生理が止まる」とか色んなイメージがあると思いますが、生理は来ます。正しくは「消退出血」というのですが、毎月決まって性器出血はあります。子宮内膜が剥がれおちて出血するという点では生理と同じですが、生理と消退出血との違いは、「排卵を伴った出血」が生理で、「排卵を伴わない出血」が消退出血です。
排卵は起きません。ピルを飲むことによって妊娠しなくなる主な原因は排卵を起こさせないようにするためです。
下の図にあるように、ピルは合成卵胞ホルモン(女性ホルモン・エストロゲン)と合成黄体ホルモン(プロゲストーゲン)を含んでいます。
それを飲むことで、脳が「もう十分に卵胞ホルモンと黄体ホルモンがあるから、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンは出さなくて良いよ」と卵巣に命令します。そうなると卵巣は働きを止め、結果的に排卵が起きなくなります。
その他にも、子宮内膜を厚くさせず薄いままなので、万が一「排卵」「受精」が起きたとしても受精卵は着床できないことと、子宮頸管の粘液を変化させて、精子が膣内に侵入するのを邪魔するといった作用で避妊します。
3つの作用があることで避妊率99.7%を実現

低用量ピルを初めて飲む初心者が1年間に避妊を失敗する確率は、理想的に正しく飲んでいたら0.3%であるというデータがあります。
単に卵子が排卵させないようにするだけではなく、子宮内膜の変化、子宮頸管の粘液の変化という合計3つの作用があることで、99.7%という高い避妊率を実現しているのです。
