ミニピルは飲む時間厳守が基本
ノリディやセラゼッタなど、合成黄体ホルモン(プロゲストーゲン)のみで出来ているミニピルは、身体への負担や副作用が少ない半面、避妊効果を保つには飲む時間をしっかりと守る必要があります。
それでも飲み忘れたり、飲む時間が遅れたりすることもあるでしょう。
一体何時間程度までなら大丈夫なのか、それを越してしまったらどうすればいいのか調べてみました。
ノリディとセラゼッタでは時間の猶予が違う
ノリディとセラゼッタはどちらも人工黄体ホルモンだけ出てきているミニピルですが、違いはその黄体ホルモンの種類です。
ノリディは第1世代のノルエチステロンが、セラゼッタは第3世代のデソゲストレルが用いられています。
ノルエチステロンを使ったノリディは、普段の決まった時間から3時間以内なら避妊効果は保ったままです。
デソゲストレルを使ったセラゼッタは、普段の決まった時間から12時間以内まで大丈夫です。
猶予の時間以上経ってから飲み忘れに気がついた場合は
では、ノリディなら3時間、セラゼッタなら12時間以上過ぎてから飲み忘れに気がついた場合はどうすればよいのでしょうか。イギリスの保健省が運営する、英国最大手の健康に関するウェブサイトからの引用です。
- take a pill as soon as you remember – only take one, even if you’ve missed more than one pill
- take the next pill at the usual time – this may mean taking two pills on the same day (one when you remember and one at the usual time), this is not harmful
- carry on taking your remaining pills each day at the usual time
- use extra contraception such as condoms for the next two days (48 hours) after you remember to take your missed pill, or don’t have sex
- if you have unprotected sex during the two days after you miss your pill, you may need emergency contraception – get advice from your GP or contraception clinic
出典:https://www.nhs.uk/Conditions/contraception-guide/Pages/miss-progestogen-only-pill.aspx
上記の和訳です。
・普段の時間にいつも通り1錠飲む。結果的に1日に2錠飲むことになったとしても問題はない。
・いつも通り飲み続ける。
・飲み忘れに気がついてから2日間(48時間)はコンドームなど他の避妊法を併用するか、セックスをしない。
・もしその飲み忘れ後2日間の間に中出しをした場合は、緊急避妊が必要になるかも知れないので、医療機関に相談する。


通常のピルとよく似ていますね。
しかし、一般の低用量ピルなら「7日間」なのに、なぜ「2日間」なのか?という疑問もあります。それについての答えがこちらです。
It takes two days for the progestogen-only pill to thicken cervical mucus so that sperm cannot get through or survive. The Faculty of Sexual and Reproductive Healthcare advises using extra contraception for two days after you remember to take your pill.
The patient information leaflet that comes with your pill might say to use condoms for the next seven days after you remember to take your pill. This is because it takes seven days for the pill to suppress ovulation.
出典:https://www.nhs.uk/Conditions/contraception-guide/Pages/miss-progestogen-only-pill.aspx
基本的にミニピルには排卵抑制機能はありません(セラゼッタにはあります)。
ですので、排卵を抑制するまでの期間を考える必要はないのです。
ミニピルは卵管が受精卵を子宮まで運ぶ働きを弱めます。また、ミニピルを飲み続けていると、子宮内膜の増殖は極端に抑制されます。つまり子宮内膜が妊娠可能なほど厚くならないのです。そのため、生理の出血は極端に少なくなります。
一般の混合低用量ピルよりもこの2つの点では大きな作用があるため、万が一受精したとしても子宮に着床することはほぼ不可能に近い、ということです。


