緊急避妊ピル・アフターピルとは
緊急避妊する際に使われるピルはモーニングアフターピルとも呼ばれます。
膣内に精子が放出された後でも、その72時間以内に飲めば避妊できる可能性が高いお薬です。海外では特にレイプの被害者の「望まない妊娠」という、更に最悪の悪夢から救うためにも、即日飲めるように広く市販され普及しています。普通に薬局で買えるのは素晴らしいことだと思います。
もちろんカップルや夫婦でも、コンドームに穴があいていたり、コンドームが脱げてしまったり、精液が漏れ出てしまったり、ピルを飲み忘れていたり、避妊に失敗する可能性はいつでもあるので、アフターピルを常備薬として家に置いておくことをおすすめします。

アフターピルの飲み方と副作用は
性交渉の事後緊急避妊には2種類の方法があります。
1つは従来の方法の「ヤッペ法」です。
エチニルエストラジオール(Ethinylestradiol)とノルゲストレル(Norgestrel)を含む中用量ピル(プラノバール等)を性交後72時間以内に2錠、12時間後にもう2錠飲む方法です。
The Yuzpe method of emergency contraception involves 200 mcg of ethinyl estradiol and 2 mg of norgestrel taken in two doses–the first within 72 hours of unprotected intercourse and the second 12 hours after the first.
出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9693395
プラノバールは1錠あたりエチニルエストラジオールを0.05mgと、ノルゲストレルを0.5mg含んでいます。2錠でエチニルエストラジオールが0.1mg、ノルゲストレルが1mgとなり、それを12時間で2回繰り返すことでエチニルエストラジオールが0.2mg、ノルゲストレルが2mgになるということですね。
排卵の前ならば排卵を抑制し、排卵の後ならば子宮内環境を変えて受精卵の着床を防ぐことで妊娠を阻害します。
副作用はおおよそ50%の人に現れるといわれており、吐き気や疲労倦怠感が主な症状です。そのため、病院では酔い止め・嘔吐止めのお薬と一緒に出されることが多いです。
よく出る副作用は、吐き気、胃痛、腹痛、筋肉痛、背中や腰の痛み、倦怠感、などです。無理やり生理を起こさせるようなものなので、生理痛に似た痛み(気持ち悪い、肌荒れ、ニキビ、だるい、イライラ、情緒不安定、眠気)などもある程度来るものだと思っていて良いでしょう。
血栓症の疑いがあるような症状がでたら、すぐに病院に行きましょう。
もう1つは「LNG法」です。LNGとはレボノルゲストレルの略で、第二世代のピルで使われている黄体ホルモン、レボノルゲストレルを含んだお薬(ノルレボ等)を使います。
性交後72時間以内に1回(1.5mg)飲むだけです。お薬の種類によっては0.75mgの錠剤を12時間の間隔をあけて2回服用するタイプのものもあります(マドンナなど)。
LNG法では副作用は出たとしても非常に弱く、身体に大きな負担もかかりません。
どちらも数日~3週間の間に生理(消体出血)による出血がみられたら、避妊は成功したことになります。出血が無ければ妊娠検査薬で検査をしましょう。
アフターピル服用から出血までの日数調査結果:
出典:スズケンDIアワー
アフターピルの効果と妊娠率・非妊娠率は
まず性交渉後に薬を服用するまでの時間によって、妊娠率は変わります。
出典:Lancet,352:428-433,1998
ヤッペ法、LNGのどちらも早ければ早い程、妊娠を回避できる可能性が高いですので、避妊に失敗したかもしれない可能性があるならば、なるべく早く飲むようにしましょう。
また、それぞれの方法の成功率は次の通りです。
*非妊娠率:生理周期に関係なく内服した時の妊娠しなかった割合(排卵時期関係なく、全体の非妊娠率)
*妊娠阻止率:生理周期から妊娠の可能性がある時期に内服した時の妊娠しなかった割合(排卵期近く、「危険日」辺りで性交渉があった場合の非妊娠率)
非妊娠率(排卵時期関係なく、全体の非妊娠率)はどちらも高い確率ですが、妊娠阻止率(排卵期近く、「危険日」辺りで性交渉があった場合の非妊娠率)は大きく違っています。
LNGの方が妊娠阻止率が高く、危険日周辺で避妊に失敗したとしても妊娠を回避できる可能性が高いということです。
アフターピルの値段・買えるところは
アフターピルは産婦人科で購入することが出来ますが、
海外の国では一刻も早く飲むことが避妊の確率をあげるので、町の薬局でもすぐに買えることが出来るのですが、残念ながら日本では薬局やドラッグストアでは市販されておらず、産婦人科で処方箋を出してもらってしか買えません。しかも病院では自由診療になるので、値段は5,000円(ヤッペ法・プラノバール)~20,000円程度かかります。個人輸入では750円程度~で手に入ります。

その上、全ての産婦人科で取り扱いがあるわけではないので、病院に行く前に電話で確認する必要があり、「すぐに飲む必要があるのに取り扱いのある病院が見つからない」「会社を休んで診察を受けに行けない」「土・日・祝日が重なって病院が開いてない」などということがありえます。
そういうことを考えると、アフターピルは前もって購入しておき、万が一の時の常備薬として家に置いておくことをおすすめします。
今まで見てきた全てのデータから、妊娠を高確率で回避できて副作用も少ないLNG法の方が安心でしょう。
以下に紹介するのは全てLNG法で使われるアフターピルです。お薬の到着まで1週間前後かかりますので、事前に購入しておくとよいでしょう。
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緊急避妊ピル・i-Pill(アイピル)
特色:世界中で広く普及している商品です。無料妊娠検査薬付きのセットもあります。 個人輸入価格:1,200円~ まとめ買いすると1箱470円程度~ |
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ノルレボ(NorLevo)1.5mg
特色:日本で認可されているノルレボです。 個人輸入価格:2,200円~ まとめ買いすると1箱1,600円程度~ |
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ノルレボジェネリック(マドンナ)
特色:上記のノルレボの後発薬(ジェネリック)です。 個人輸入価格:750円~ まとめ買いすると1箱350円程度~ |
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エラワン(Ellaone)
特色:従来の緊急避妊薬より効果が高いとされ、性交渉後5日以内の服用で一定の効果があるとされています。 個人輸入価格:4,600円~ |

